2x年ぶりに「血族」を読み返す

「血族」シドニィ・シェルダン
犯人とその動機くらいは覚えていたけど、そこに辿り着くまでの詳細は全然覚えていなかったので、またしても新鮮に読み返すことができました。
それにしても懐かしかった!

「血族」シドニィ・シェルダン
「血族」シドニィ・シェルダン

リーズの出身地に関する記憶違いが甚だしかったです。
何をもって「出身はバースだ」なんて思ったんでしょうか。正しくはウェールズで、イングランドですらなかったです。
ウェールズの炭鉱の町=温泉=バース、と、連想してしまったのかもしれません。
作中の地名を検索してみたけど1件もヒットしなかったので、細かい地名は作者の創作だったのかな。

改めて読んで思ったのは、作者はリーズ・ウイリアムズという人物の物語も並行して書きたかったのでは、ということ。
貧しい炭鉱の町出身の「何も持っていない」ひとりの少年が、貧しさと絶望から逃れたいがために家を飛び出し、強烈な野心だけで理想的な人物像を演じ、ロッフ社という世界を股にかけた王朝ともいえる大企業のトップに立つ、という成功物語。

わたしは野心家キャラクターに惹かれる傾向にあるので、上巻の数ページで描かれる「もうひとりのリーズ」ができるまでの過程が大好きです。
「あーこれこれ!大好きなやつだわ」と食い入るように読んだし、昔のわたしもきっと同じように読んだに違いない(そしてなぜか出身地をバースだと誤って覚える、と)。

同じ理由で、東野圭吾「白夜行」の雪穂とか大好きです。びっくりするくらい悪女ですが、そこまでして自分の願望をかなえようという猛烈な野心がたまりません。そしてある意味、あれも雪穂の成功物語ですよね。
思い出したらまた読みたくなってきました。

それにしても、際どい描写が本当に多くて「これを中学生の時に読んだ…?」と驚きました。
そのへんの内容は全然覚えていなかったので、中学生時代の自分はスルーしたんだろうなと思います。昔からそういう子だった。理解する必要がないと判断したものは深追いしない。笑。


ストーリーもだけど、これを読んでいた当時の自分が考えていたことを思い出して、そういう意味でもとても懐かしかったです。
本の再読って、読んでいた当時のことも含めて思い出すものなんだなあ。新たな発見でした。

プロフィール

やすなりゆきよ(yukiyoYasunari)

海潜(うみもぐ)イラストレーター。

趣味のスキューバダイビング繋がりで、イラストやデザインのお仕事をいただいたりしています。

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